【初めてのDIY】ゼロからの棚(ラック)づくりにチャレンジ
これからDIYを始めようと思っている方は、DIYに興味があるものの、何から始めたらいいのかな?と思っている人が多いと思います。そういった方でこの記事をみている人は、なんとなく木工のDIYに興味がある方でしょう。
そこでこの記事では、写真のような置き型の棚(ラック)を実際に作ってみて、どういう手順で、どんな工具を使えばいいのかを詳しく解説していきます。
この単純なラック型の棚がシッカリできるようになると、その後、引き出しをつけたり、扉をつけたり、色々な応用ができます。
もちろん同じものを実際に作らなくていいです。最後まで読んでいただけると木工作業のポイントがわかります。是非、最後まで読んでくださいね!
私はDIY歴5年で、プロになったことはありませんが、木造住宅建築の経験があります。そこで、DIYが全くはじめてという方のために、100均の商品で使えるもの、それ以外のホームセンターなどで購入するものを分けて棚づくりを解説したいと思います。
まず道具ですが、100均で売っているDIY向けの商品です。
Seriaでは、メジャー、サンドペーパー、水平器、曲尺(差し金)、ホビー鋸、鋸ガイド、塗料、ハケがありました。
結論から言うと、今回の作業で使えるのは、メジャー、サンドペーパー、塗料、ハケです。それ以外は、もっと小さな工作でしか使えません。これ以外で必要なものと、木材はホームセンターなどで購入します。
木材をフリーカットしてくれる通販サイトもありますが、まずはホームセンターで実際に木材を見て選ぶことをおススメします。
目次
棚作りでよくある失敗を知っておこう
棚(ラックの作り方)
- サイズを決める
- 完成形をイメージする
- 木材を選ぶ
- 木材をカットする
- 仮組みしてみる
- 組み立てる
まとめ
「棚」作りでよくある失敗を知っておこう
まずは始める前によくある失敗例をみていきます。これを知っていると事前準備をシッカリを行うことができて、綺麗に仕上がるようになります。
サイズが合わない
材料を切って組み立てた時に、一部が長かったり、短かったりすることがあります。短い場合はその材料はもうそこに使えませんから、これは避けたいですね。
これを防ぐには、手書きでいいので完成図をスケッチして、サイズを書き入れることです。自分で考えて自分で作るのだから完成図なんていらないという人がいますが、これなしで始めるとサイズ問題が起こりがちです。「段取りが8割、作業が2割」と言われています。
ナナメる
水平と垂直をシッカリ取るには、測り方と、墨付け(鉛筆で木材に印をつける)が大事です。短い物差しを何回かずらして測ると誤差が出ます。まず正確に測るために、差し金、メジャー(コンベックス)、そしてできれば水平器を用意するのをおススメします。
差し金は長辺が30cm以上のもので、メートル法のものを選びます。尺貫法だけのものや、メートル法と尺貫法の両方が刻まれた差し金もありますので間違わないようにしましょう。
壊れる
棚板の上に何を乗せるかを想像しましょう。既製品も荷重何キロまで耐えられるかが表示されています。DIYであっても用途を決めて荷重を意識しましょう。そうすると材料選びや結合方法も変わってきます。
反る
時間が経つと板が反る場合があります。強度不足の他に、無垢材で起こりがちです。無垢材とは原木から切り出したもので、乾燥具合によって反ったり曲がったりすることがあります。無垢材は質感がよくて木目も美しいのですが、最初は合板や集成材から始めた方がいいでしょう。
棚(ラック)の作り方
では、実際に棚(ラック)を作っていきます。
サイズを決める
作りたい棚の大きさを決めます。棚を置く場所や、入れたいもののサイズから大きさを決めていきます。ここでは、写真のニトリで買ったボックスを下段に収納します。上段にプリンターを入れます。
メジャー(コンベックス)で測ってみます。3つ並べて、横が38cm x 高さが 23.5cm x 奥行が 26cmでした。
完成形をイメージする
最初は簡単でいいので、完成形をスケッチします。そこにサイズを入れていきます。
横 38cm x 高 23.5cm x 奥行 26cmのボックスたちが入る棚板のサイズを決めます。左右に若干の空きが欲しいので、棚板のサイズは 横 40cm x 縦 27cmにします。
同じサイズの棚板が3枚必要ですね。側板は2枚で、サイズは一辺が棚板の縦と同じ27cmにします。
もう一つの辺はラックの高さになりますが、棚板の厚さを1.8cmとします。下段と中段の空間は、ボックスの高さ23.5cmに、手のひらが入る空間を足して28cmにしました。
中段と上段の空間はプリンターが入る高さで17.5cmにしました。
下段は3cmほど床から浮かせようと思います。
そうすると側板の高さは 28cm + 17.5cm + 3cm + (1.5cmの棚板3枚分)で53cmになります。
裏板はベニア板をビスか釘で貼り付けます。これがないとラック全体がグラグラします。
木材を選ぶ
棚板、側板に適した木材としては、集成材、合板、無垢材があります。
集成材は色々な部位の木材を背着して一枚の板にしたもので、安価で加工がしやすいです。ナラ集成材、パイン集成材、ウォールナット集成材などがあります。
合板は薄いベニアを貼り合わせたもので、表面に化粧がしてあって塗装しなくても使える化粧合板もます。
無垢材は丸太から切り出した天然木の板です。木目が美しいのですが、値段が高めで、集成材より反りやすいので、慣れてきてから使った方がいいです。
ホームセンターなどでは色々な厚みの木材が売られています。スケッチの時に板の厚さもイメージしましょう。
今回は棚板にパイン集成材の厚さ1.8cmを買いました。
木材の厚さを決める目安として、横幅60cm程度で支えが両端だけの棚板に単行本を並べる場合、集成材で1.5cm以上必要と思ってください。
木材を購入するときは、反っていないものを選びましょう。
購入する1枚の板から40cm x 27cmの棚板を3枚切り出したいので、買う前にどのように切るかをイメージします。
棚板は長辺の40cmに平行して木目があると綺麗に見えます。そうすると購入する板は長さが120cm以上、幅が30cm以上になります。
棚板と側板を別の木材にするなら2枚購入します。側板も長辺に平行して木目がくるように切り出します。全て一枚の板から切り出す場合は木目の方向に注意してサイズを選びましょう。
単色の化粧合板の場合は木目を気にせずカットできますし、塗装も要りません。ただし、カットした部分は表面と色が違ってしまいますから、ラックの正面になる側はカットしないようにします。
背板にするベニア板も忘れずに購入します。今回の用途では2.5mmから4mmの厚さで十分です。完成形の背面サイズ分を一枚で切り出します。
木材をカットする
ホームセンターで木材を購入したら、その場で希望のサイズにカットしてくれます。設計図を持っていき、必要なサイズと枚数を伝えましょう。
手ノコを使って自分でカットする方法もありますが、1.5cm厚の板材を40cm真っ直ぐカットするには技術が必要です。電動丸ノコを使えば真っ直ぐ切れますが、安全に扱うための知識が必要なので、最初はホームセンターでカットしてもらうことをおススメします。
仮組みしてみる
木材がカットできたなら、仮組みしてサイズに誤りがないか確認します。
確認ができたら、カットした部分にサンドペーパーをかけて、角の咎っったところを丸くします。
ここではSeriaのサンドペーパー#80番を使います。
塗装する
塗装は100均の塗料でもいいですし、ホームセンターで豊富な種類から選んでもいいです。
私は東京インテリアで購入した使っていないスノコの本棚があったので、これを分解して側板にしました。スノコで既に塗装してありますので棚板だけ塗装しました。
不要になったものもアイディア次第で再利用できるのがDIYのメリットですね。
棚板の塗料はSeriaで購入した水性ニス(ライトオーク)を同じくSeriaのハケで塗ります。ペットボトルの下を1/3くらい切って容器にします。
右上の写真はSeriaのライトオークを重ね塗りしたもので、上から1回塗り、2回塗り、3回塗りです。好みの風合いになるまで、「乾いてから塗る」を繰り返します。もちろん1回塗りでもOKです。
最後に表面をサンドペーパー#320で磨きます。このひと手間で板の表面のざらつきがなくなります。塗装後の表面仕上げは#300番前後を使います。
ホームセンターでカットした端材など、手のひらサイズの角材があればそれにサンドペーパーを巻いて磨くと作業がしやすくなります。
次に設計図の寸法をみて、上段、中段、下段の棚板の位置を側板に鉛筆で印をつけます。
差し金かメジャーで必ず棚の両端にそれぞれの距離を測って印をつけましょう。ここが正確でないと、棚板がナナメってしまいます。
棚板の位置が決まったら、ビスを打つ前に下穴を開けます。下穴を開けないでビスを打つと板が割れたり、ビスを打っている途中で板の位置がズレたりします。必ず下穴を開けましょう。
下穴を開けるためには電動工具が必要です。
初めてDIYをする方にとって本格的な電動インパクトドライバーやドリルドライバーはちょっとハードルが高いでしょうから、コンパクトドライバーから初めるのもアリです。コンパクトドライバーは組み立家具のネジ締めで活躍しますね。
今回の加工はコンパクトドライバーでも可能です。その違いはドリルで下穴を開けるのに時間がかかるのと、ビスを打つ時にナメる、つまりプラスのビスの溝が壊れやすいということです。
これを防ぐためには、「焦らずゆっくり」と、「両手で真下に押す」がコツです。
写真左がコンパクトドライバー(3.6V)、右がインパクトドライバー(12V)
楽天 BLACK + DECKER 3.6Vコンパクトドライバー
https://item.rakuten.co.jp/bdkshop/cs3652lc/
下穴を開けるにはドリルビットを使います。太さが違うドリルビットのセットがオススメです。
写真のような六角のドリルビットなら、コンパクトドライバーやインパクトドライバーにそのまま取り付けできます。丸型のドリルビットを使う場合はアダプターが必要になるので注意しましょう。
左がドライバービット、右がドリルビッド。どちらも差し込み口が六角の形状になっている。
使用するビスの太さから、2割から3割くらい細いドリルで下穴を開けます。ビスと同じ太さで穴を開けるとビスがゆるゆるになってしまいます。
スリムビスとコーススレッド
今回はビスを打った後の表面が平であって欲しいので、平皿というタイプのビスを選びます。写真のようにラッパのような形をしているビスです。
ホームセンターに行くと、何を選べばいいかわからないほど、色々な種類のビスが売られています。平皿のビスと言っても、コースレッドやスリムビスなど、種類があります。今回はスリムビスがいいです。コーススレッドは荷重が大きい椅子やはしごを組み立てる時や、柱に打ち付ける時に向いています。
長さの目安は、直接ビスを打つ木材の厚さに対して、2倍から3倍の長さです。側板の厚さが1.8cmとすると、ビスの長さは3.6cmから5.2cmの間になります。ビスが長くなると難しくなりますので、短めの3.6cmくらいの長さから始めましょう。
組み立てる
上段と下段の棚板を結合して、最後に中段を取り付けます。結合部分に木工ボンドを塗って、すぐに下穴を開けてビスを7〜8割まで打ちます。
結合部分を直角にするためには、コーナークランプがあると便利です。
上段と下段の四隅が全て直角になったら、棚板に水平器を置いて水平が取れているか確認します。
水平が取れているか、ガタつきがないか確認したら、中段を取り付けます。
最後に後ろの背板を貼り付けます。ビスの長さの計算は棚板の時と同じですが、ベニアは薄いですからここのビスも短くなります。ビスを打つ位置を測って線を引いてからビスで止めます。
ベニア板には、ビスの他にも釘と金槌で留める方法や、ネイルガンで留める方法もあります。エア式やバッテリー式のネイルガンは高価ですが、電動タッカーでもネイルが打てます。
この電動タッカーはネイルの他にステープルも打てます。ベニア以外にも布地や皮を留めるのに利用できますね。手動のタッカーよりもはるかにパワーがあって、T型ネイルなら最長14mmが打てます。
背板が付けば完成です!
このような四角いラックは色々な応用ができます。上段に引き出しをつける、下段に扉をつける、4本の脚をつけて天板をモールティングで囲むなど、アンティーク調にすることもできます。
まとめ
初めてのDIYとして簡単なラック作りにチャレンジしました。大事なポイントは直角と水平が取れるかどうかです。最初は上手くいかなくても、こうした手順に慣れればできるようになります。
また、自宅に作業スペースがない方や音が気になる方は、ホームセンターの工作室を利用することもできます。近くのホームセンターで確認してみてくださいね。
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